設計図と見積書の見方のポイント
設計図の見方
家を建てるに際しては、工事のために相当数の設計図面が作成されますが、初期の段階で作成されるのが、配置図、平面図、立面図、断面図、そして仕様書です。これらの図面が合わさって建物の全体像が描かれますので、建主自身が、この段階で完成した家の姿をしっかり認識しておくことが大切です。ここでは、それぞれの図面の意味と、チェックすべきポイントについて説明しまっしょう。
配置図
建築計画地内における建物を建てる位置関係を示した図面です。
① 隣地から距離に問題ないか?
陽当りや隣家との関係などをふまえて、建物の配置は適切でしょうか。
② 駐車スペースは大丈?
入出庫や乗降しやすいように駐車スペースが確保されているでしょうか。
平面図
建物の各階を真上から見た水平断面図です。間取り図になります。
① 各部屋の広さは十分か?
家具を置いたときに、窓や収納建具とぶつかる状態になったりしていないでしょうか。
② 生活動線はスムーズか?
たとえば衣服を洗濯して干して取り込んで仕舞うまでの流れがスムーズな間取りになっているでしょうか。
③ 収納スペースは十分か?
現在と将来の持ち物の量を仕舞うのに充分な収納スペースが、使いやすい場所に確保されているでしょうか。
④ 1階と2階の部屋の位置関係は大丈夫か?
戸建住宅では上下階の音が伝わりやすいので、上階に水回りがある場合はその下の部屋に注意しましょう。
⑤ 室内建具の開き方は適切か?
引き戸と開き戸と、どちらがいいでしょうか。それによって間取りが変わることもあります。
立面図
建物を真横から見た姿を描いた図面です。東西南北の各方向から見た面を描きます。
① 窓の位置や高さは適切か?
窓が広いほど明るくなりますが、外からの視線や、家具を置くスペースなどの注意も必要です。
② 軒や庇の出はイメージ通りか?
軒や庇の出し方についてはさまざまな考え方がありますので、自分の好みになっているか確認しましょう。
③ 屋根の形状や勾配はイメージ通りか?
屋根の形状は、デザイン・機能面と建築基準法による制限との両面から考える必要があります。
断面図
建物を垂直に切断した面を描いた図面です。
① 天井の高さは適切か?
居心地のいい空間の天井高になっているかを確認しましょう。
② 地盤面から床の高さは適切か?
地盤面からの高低によるメリットデメリットを確認しておきましょう。
③ 断熱の方法は適切か?
断熱の方法や断熱材の厚さなどを確認しましょう。
仕様書・仕上表
① 外観・インテリアの素材はイメージどおりか?
素材は、質感や色などのデザインと、耐久性・メンテナンス性能の両面から、適切かを確認しましょう。
② 設備や建材のグレードは適切か?
キッチンなどの設備は、機能やデザインの少しの差が大きな価格の違いになります。
見積書の読み方
建物の内容と同時に大切なのが、その家をつくるのにいくらかかるのか、ということです。家づくりの場合、建築工事費以外にもいろいろな費用がかかります。それらを含めた総費用を把握しておくことが重要です。
① 本体工事費以外で含まれる項目と含まれない項目を理解していますか?
地盤改良費用など、初期の見積もり段階では確定できない金額もありますので、注意しましょう。
② 設備の数や広さなどで、自分の認識と明らかな食い違いがないか?
見になる外壁素材や床暖房などがちゃんと入っているかを確認しましょう。
③ 設計変更になったときの増減が明快にわかる内訳になっているか?
工事契約後の詳細打合せに伴って、往々にして工事費は増加します。その時に増加する金額の根拠が明確になるような見積書であることが必要です。
④ 諸経費率の高い低いは関係ない。
工事会社の経営においては、見積内訳に入れにくい監督や営業担当者の人件費や間接経費などを確保することが当然必要です。それをすべて諸経費とするのか工事単価に入れ込むのかは、その会社の考え方次第です。見た目の諸経費率の高い低いは、気にしない方がいいでしょう。
工事契約をするその前に
設計図や見積書の内容をしっかり確認し理解したうえで工事契約のステップに進むことが、とても重要です。工事会社の営業担当者は、もちろんなるべくわかりやすく説明しようとしてくれます。しかし、建築の専門家にとって当たり前のことを建主が理解できないこともあるし、また、営業担当者が契約して欲しいあまりに偏った説明をしてしまう場合もあります。
そこで、ハウスクエア横浜 新築・リフォーム相談室では、専門のコンサルティングスタッフが工事会社選びの初期段階からかかわって、設計図面や見積書の見方を具体的にアドバイスする、住まいづくり安心サポートというプログラムを用意しています。