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セミナーレポート
遺言・相続と成年後見制度をやさしく説明

2012年10月20日 講師:高橋成壽(ファイナンシャルプランナー)、金井義家(税理士)

 

今回のセミナーは、講師にファイナンシャルプランナーの高橋成壽さんと、税理士の金井義家さんをお招きして、相続トラブルにならないために、元気なうちから知っておきたい遺言と成年後見制度。また、トラブルの事例と公正証書遺言のメリットについてノウハウをお話いただきました。

 

■始めてでもわかる遺言と成年後見(講師:高橋成壽)

 

高齢社会となり、相続によるトラブルが増加しています。元気なうちに知っておきたい遺言と成年後見制度。気楽に作れるエンディングノートについて解説します。
成年後見制度とは、10年ほど前に介護保険制度と同時期にでき、介護と成年後見が2つ合わさることが大切です。認知症などにより、自己の判断能力ができなくなった場合におこる財産管理や身上監護などのサポートを成年後見制度といいます。

 

◆種類
成年後見には2種類あり、任意後見(自分の意志でサポートする方を見つけて契約する)・法定後見(認知症により、ご家族や市区町村長が申立)となります。その中でも法定後見には3種類あり、判断能力によって分けられており法廷が決めていきます。
①後見…判断能力欠く  (①後見人が代理で決めていく)
②保佐…判断能力著しく不十分 
③補助…判断能力不十分 (②③は後見人が同意をする上で決めていく)

 

◆役割・開始までの期間・費用
成年後見人の役割とは、財産の管理(代理で決める)・生活支援を行うことです。裁判所の申し立てなどは4親等以内の親族でしたらできます。また、身寄りのない場合は、市区町村長が職権での申し立てを行えます。
(精神鑑定などには、5万~15万ほどかかります。)
職業後見人の場合は、月2~3万円かかりますが著しく高い費用がかかる訳ではありません。
後見人は、親族の方が半分・職業後見人がなっているケースが半分となっており、現在は親族以外の第三者に後見人を行うケースが増えてきています。

 

◆成年後見の事例・保佐の事例
認知症の方の財産管理や身上監護を目的として、親族や、職業後見人の方々が後見人に選任されます。家族構成や居住地域などによっても、後見人の選任のされ方が異なります。親族以外の方が後見人になる場合もありますし、親族が複数名後見人になる場合もあります。どのようなサポートが必要かによって、親族か職業後見人かが選任されるようです。

 

◆親族以外の成年後見人事例
後見後に何をしてほしいか、本人の状態がどの状態にあるかによって、親族以外の後見人が決定します。
身寄りのない方の場合は、保証人がいないので本人との契約締結が難しいことから、市町村長が後見開始の申立てを行います。

 

◆親子・兄弟など複数の成年後見人が選任される場合
この制度はまだまだ世間的に知られてはないかもしれませんが、介護保険制度・後見制度が高齢社会の日本を支えていくのだと思います。
どこに問い合わせをすれば良いかも知られていません。後見制度に関する問い合わせは、家庭裁判所など色々な場所で出来るのです。

 

◆遺言について
遺言の種類は大まかに2種類(自筆証書遺言・厚生証書遺言)があります。
自筆証書遺言は、紛失・改ざん・争いの場合があるので、公正証書遺言を書くのが一番の安全とされています。
その中で、エンディングノート(遺言の簡単なもの)と言うノートがあります。
今は本屋さんでも売っており、自分史などを書くことから始まり、いざと言うときの連絡先や病気等の治療状況などの記入、財産管理などの内容となっています。
是非一度書いてみてから、本当の遺言が必要かどうか見極めるのもよいですね。

 

最後に、身寄りのない方を中心にですが、財産把握、財産サポートをだれにしていただくのか、介護・費用・亡くなった後の事務処理を誰にしていただくのか、元気なうちに考えていただけたらと思います。

 

 

■相続トラブルの事例と公正証書遺言(講師:金井義家)

 

相続トラブル、特に遺産分割のトラブルとなった場合、精神的にも経済的にも大きな負担を強いられることになります。しかし、遺産分割のトラブルは公正証書遺言や生命保険を有効に活用すれば、回避することも可能です。遺産分割のトラブルの事例と公正証書遺言のメリットについて解説します。

 

相続における問題は大きく2つにわけられます。①遺産分割の問題と②相続税の問題です。両社は相互に影響していますが、それぞれ別個の問題です。

 

◆今回のテーマ:遺産分割の問題について
遺産分割は被相続人100にあたり100人に発生する問題です。遺産をどのように分けるかということで、相続人間で大きな問題になることがあります。例えば不動産については共有にしないのが大原則ですが、かと言って相続財産に占める特定の不動産(例えば自宅)の割合が高いと、必然的にその不動産を相続した相続人が、相続財産の大部分を相続することになります。このような遺産分割については、他の相続人が納得しない可能性があります。また、遺言書によって特定の相続人に多く相続させようとした場合も、その他の相続人が遺留分を主張するなどのトラブルが発生する可能性があります。これに対して相続税の話というのは対税務署の問題であって、遺産分割の問題とはまた別の問題なのです。

 

自分たちの相続にとって何が問題なのか、遺産分割でトラブルが起きそうなのか、それとも相続税を減らしたいのか、まずは問題点を考え、それに合わせた処方箋を考えていくことが重要です。例えば遺産分割の問題に対して、相続税の節税策をやっても意味はありません。

 

◆遺産分割のリスク
①相続税の申告が不利になるリスク:相続税の申告期限10ヶ月までに遺産分割もまとまらないと、配偶者の税額軽減や小規模宅地の特例など、税務上の特例がうけられず、一時的に多額の納税資金が必要になることがあります。
②不動産の登記が出来ないことによるリスク:不動産の売却が困難になります。
③生活費がなくなるリスク
④裁判になるリスク
このように、遺産分割がまとまらないと相続税以上に大きなリスクとなる場合があります。

 

◆遺言のポイント
自筆証書遺言は、一人で簡単にでき、遺言の存在及び内容を秘密に出来ますが、遺言書の紛失、相続人・他人による偽造・変造・隠匿の危険性や方式不備・内容不備の可能性があります。

 

公正証書遺言は、公証人が作成に関与するので方式不備にはなりません。また原本が公証人役場で保存されるので、変造・滅失のおそれがなく非常に優れた方法です。

 

◆税務知識を活用して遺産分割争いを解決した事例から見た、やっておくべき事
税務の知識を活用することで、税引き後の手取りを増やし、争いになりかけた遺産分割をまとめることが出来た事例を紹介しました。遺産分割というと弁護士のフィールドというイメージがありますが、税務の知識は必ずしも豊富でないため、税理士の助言によって大きな差がつくことも多いです。
相続が発生してからやれることは限られています。生前に財産目録の作成・遺留分の計算・公正証書遺言の作成を行っておくことが、最も良いことです。
また、生命保険に加入しておくことで、当面の生活資金を確保したり、代償分割のための現金を確保することが出来るため、これも有効な手法になります。

 

難しいお話でしたが、事例を取り上げて分かりやすくお二人にお話をしていただきました。
セミナー終了後も、受講者からの沢山の質問がありました。ありがとうございました。

 

高橋成壽
高橋成壽 ファイナンシャルプランナー

慶應義塾大学卒業後、金融機関を経てFPとして2007年独立。
資産運用、保険、住宅ローン、相続とお金に関する総合的なコンサルティングを行う。
住宅ローン関連では、住宅ローンのコンサルタントを養成する。
日本モーゲージプランナーズ協会で理事を務め、コンサルタントの養成にも力を入れる。
経営する寿FPコンサルティングでは6名のFPが活動している。


金井義家
金井義家 税理士

■略歴
昭和48年東京都大田区生まれ
平成8年早稲田大学政治経済学部経済学科 卒業
同年株式会社北海道拓殖銀行 入社
平成10年東京都 入都
平成12年中小企業診断士登録
平成15年新日本監査法人(現、新日本有限責任監査法人) 入社
平成19年公認会計士登録
平成21年タクトコンサルティング 入社
同年税理士登録
平成23年株式会社三井住友銀行プライベートアドバイザリー部出向

■執筆
「月刊KINZAIファイナンシャルプラン」
「金庫株対策の実務Q&A」
「月刊税理」


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