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セミナーレポート
「我が家に必要な耐震リフォーム」

2006年6月4日 講師:名取 邦亨

 阪神淡路大震災、耐震強度偽装事件などの影響から、年々、建物の地震に対する強度に関心が高まっています。住宅も例外ではなく、見た目のよさ、住みやすさの他に“地震に強い住宅”を望む声が出てきました。
 街づくりの観点から、安易な建て替えではなく、耐震強度を高める『耐震改修』が有効であるとおっしゃるのは、横浜市のまちづくりに尽力されている、建築家・名取邦亨氏。日本の風土に合った町並みを守るべきとの持論を展開しつつ、耐震改修についてご説明くださいました。

 

■木造建築と日本の歴史
 日本は、農耕が始まった弥生時代から木造の建築物がつくられ、仏教の伝来と都市の形成によってより頑強な建物がつくられるようになりました。元来、木造の建物は改修がしやすいため、修復され伝承されて日本の風土に合った町並みが出来たのです。木造建築物とその町並みの保存は、日本の歴史を受け継いできたものですから、その活用と保存は、重要なことだと思います。

■現代の木造住宅
 最近は、柱と梁で出来ている軸組工法が少なくなって、壁のパネルを組み合わせる2×4(ツーバイフォー)方式の工法などの外来工法が多くなり、軽量鉄骨造の住宅建築も多くなりました。昭和56年に新耐震基準が示されると、軸組工法による住宅でも金物が多用されるようになり、更に阪神淡路大震災の後には地震力による引き抜きの力を考慮して、更に多くの「金物」を使われるようになりました。

■耐震診断:横浜市の取り組み
 新耐震基準が制定される以前に建てられた住宅は、安全基準値を下回るものが多く、私が耐震診断士を勤める横浜市では、診断士の派遣事業を行っており、改修に際して融資や補助金の交付を行っています。相談をされる方には建て替えを望まれるケースが多いのですが、金銭的援助も充実し、技術的にも問題が無いので、私は改修をお勧めしています。
■耐震改修の意味とは
 建物は家族の足跡と絆、さらに、精神や情緒の安定をもたらすものです。日本の木造住宅は本来、100年以上も改修によって建物を生かすことができるのです。いい家は町の財産でもあります。デザイン性・機能性も重視した耐震補強は充分可能なので、是非、改修によって家族の歴史を残して欲しいと思います。改修を望む人の頭の中にある夢を実現する技術は専門家に任せていただきたい、改修できないことは何もありません。

名取 邦亨(なとり くにたか)
名取 邦亨(なとり くにたか) 株式会社ナトリ建築設計事務所 代表取締役。一級建築士。

横浜市建築事務所協会まちづくり委員として、1995年より横浜市パートナーシップ事業『身近なまちづくりを考える会』での活動をはじめ、現在各地域の行政とのコラボレーションによる街づくりの活動をすすめている。
宅地建物取引主任者、横浜市まちづくりコーディネーター、横浜市木造住宅耐震診断士、特殊建築物定期調査技術者、応急危険度判定士。
日本建築学会、横浜市建築事務所協会、神奈川県建築士会に所属。
横浜地方裁判所非常勤職員。



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