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セミナーレポート
「魅せる外観&エクステリアデザイン」

2006年7月15日 講師:八尾 廣

 ステキな家を持ちたい-これは、家を建てようとお考えの方はもちろんのこと、その他の方々にとっても永遠の夢ではないでしょうか?オリジナリティあふれる外観に、心からくつろげるエクステリア。今回は、「建物を建てることは、環境をリフォームすること」とおっしゃる、建築家・八尾廣氏に、そのステキな建築事例の数々をご紹介いただきながら、理想的な家とエクステリアのあり方を語っていただきました。

 

■美しい景観と快適な暮らしの関係
 美しい景観についてですが、例えば、一昨年スイスに行ったときに見かけたホテルの中庭。一見ごく自然につくられた中庭に見えますが、とても美しい。部分部分をよく見ていくと、床の石畳のパターン、置かれている木の家具、鉢植え、壁面の色やそこにからまるツタの葉の色など、それぞれがすべて、人が考えて配置し、ちょっとした工夫・美意識でつくられたものでした。
 景観とは町並みや環境のあり方ですが、それは家が並んでできるものです。また、いい景観が出来れば家も快適になる、という相互作用があります。

■ちょっとした工夫で快適な空間をつくる
 お家を建てられる方の中には、そんなに潤沢に予算がない、とか、周りの環境が良くない、敷地が狭いなどの条件でご依頼される方もいらっしゃいますが、そんなケースでも、快適なエクステリアのご提案をすることができます。
 私はいつも、最低1本は木を植えましょう、木を足下からライトアップしましょう、とご提案します。1本の木は四季折々に変化して、生活にも変化をもたらしてくれます。
 また、木陰には、オーニング(ひさし)などがかなわないほどの快適さがあります。木は日を遮る以外にも、光合成によって蒸気を出して上下の空気の流れをつくり出します。木は敷地にとっての、自然の換気装置ともなってくれるのです。

■インテリアとエクステリアの相互作用
 インテリアの雰囲気は、エクステリアとの関係で大きく変わります。ダイニングのお庭側にサンルームを設けた例ですが、リフォームご依頼時、ダイニングとサンルームがうまく機能せず、サンルームはお子様のおもちゃ置き場となっていました。窓を広くし、床の段差を解消すると、室内、サンルーム、庭の連続性が生まれ、ダイニングが広く明るく感じられるようになりました。

■魅力的なエクステリアの条件は、建物の配置で決まる
 家を建てる敷地が決まったら、まず、周囲を見渡して、いい景観、より良いエクステリアをつくれるよう、建物の配置を決めます。 ご依頼を受けたある住宅のケースですが、南西は農地など緑が多くて見ていたい景色、北東は半工業地帯であまり目にしたくない景色でした。そこで、建物を北東側に寄せてL型に配置し、南西方向に庭をつくり、その庭に対して開くようにインテリアを考えていきました。 また、別の住宅の場合は、南側の通路をはさんで向い側に3階建ての家が窓をこちら向きにして建っていました。プライバシーを守りつつ、東南にあるケヤキが見えるようにするため、あえて東側に庭をつくりました。周囲の環境を読み解いた上で、建物や庭の配置を決めることが大変重要です。

■魅力あるエクステリアをもつ家をつくるために
 都心の狭小住宅でも、魅力的なエクステリアをもつことが出来ます。建ぺい率の“残り”を坪庭にして木を植える、究極のエクステリアである“空”を取り入れたトップライトをつくる、などです。
 外と中とを分け隔てない、インテリアとエクステリアの連続性を重視したつくりにすれば、快適で魅力的なエクステリアにできるのではないでしょうか。

八尾 廣(やつお ひろし)
八尾 廣(やつお ひろし) (有)八尾廣建築計画事務所・代表取締役。一級建築士。

1966年大坂生まれ。
1992年東京大学建築学専攻修士課程修了後、㈱アトリエ・ファイ建築研究所に勤務、原広司氏に師事。
1997年より㈱岸田建築設計事務所に勤務し、1999年『宮本三郎美術館建設提案競技』にて最優秀案に選ばれる。これを機に独立して㈱THTアーキテクツを共同設立、住宅や公共建築の設計を手がけ、多くの建築賞・景観賞を受賞。
2005年現在の会社を設立。明治大学兼任講師も務める。



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