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「耐震・免震・制震?いま一番知りたい家の構造・工法」

2011年10月2日 講師:高橋 隆博

今回は一級建築士の高橋隆博先生をお迎えして「耐震・免震・制震?知りたい家の構造」をお話いただきました。

■建物の構造計画の考え方
地震と風で倒壊しない、飛ばされない建物が構造上強い建物となります。構造に関わる要素として自重、外力、材料の強度、組み立て方などが挙げられます。強さの要素としては、頑丈さ、ねばり、圧縮、引張などが挙げられます。この中でねばりが大切だと言われます。地震で家が揺れるようにして、壊れないようにする力です。1981年に改正された建築基準法の最低基準として、新耐震基準が挙げられます。現在では震度5程度の頻繁におこる大きさの地震で構造に損害がないこと、震度6~7程度などの滅多にない大地震で致命的な損害を回避、人命の保護ができるようにするというのが現在の基準法になっています。1981年以前は、震度5程度で即座に崩壊しないことが基準となっていましたが、1978年の宮城県沖地震による甚大な倒壊被害により、改正されました。

■耐震・免震・制震とは
耐震構造とは、構造体自体の強度で地震力を受け止める、躯体の損傷が早くから現れる、など建物の揺れ幅を最小限にすることです。免震構造とは、地震力を建物に伝えないような仕組みのことです。ゴムやバネ、ベアリングなどを使い、力を逃し伝えないという構造のことです。こちらの仕組みは大規模建築になりコストがかかるのが問題点といえるでしょう。制震構造とは、室内の装置で揺れを減衰、力を吸収させ、抑える仕組みです。

■さまざまな構造・工法を正しく知る
木造軸組工法(在来工法)
・土台、柱、梁、桁など「線」で建物の骨組をつくる工法
釘を使わないという伝統工法から変化した最もスタンダードな工法になります。こちらの工法には工事上の決まりが少ないです。
ツーバイフォー工法(2×4工法)
・1974年に北米から導入された工法で、「線」でなく「面」で建物を支える工法
枠組壁工法とも呼ばれています。釘を打つ場所も決められているのがこの工法です。
木質ラーメン構造
・SE工法に代表されるような、集成材+金物による木造ラーメン構造
・耐力壁を設置しなくても良いので大きな開口部をとることも可能
この他には、伝統工法や丸太組工法などの工法も存在します。どの工法でも、きちんとした計画の下で建築をすれば、地震などによって崩れることはないでしょう。

住まいづくりにおいてプラン、デザイン、仕上げ素材や色、機能や設備などと同様に、工法や構造についても見聞を広げ正しい認識をもつことが大切です。どんな構造や工法でも同様な家は建築できますが、その家本来の目的に対して裁量の手段手法を選んでいきましょう。自分達が住まいに何を望むかを純粋に洗い出し、それらを優先順位と共にプロへ投げかけていくことが大切でしょう。コマーシャルなどの情報や話題性などの思い込みで一喜一憂しない為に大筋での原理を理解し、世の中の現状を把握していきましょう。

高橋 隆博(たかはしたかひろ)
高橋 隆博(たかはしたかひろ) 一級建築士 株式会社アトリエ秀(しゅう)代表

 日本大学理工学部建築学科在学中から恩師である納賀雄嗣氏主宰の(株)一色建築設計事務所にて建築を学ぶ。大規模木構造建築から一般木造、2x4(輸入住宅)、RC造、鉄骨造を駆使した各種公共建築、建築基準法改正プロジェクト、商業施設、企業コンサルティング等々、個人住宅から都市計画まで巾広い分野の大小のプロジェクトに携わる。
 独立後は、グローバルな感覚と適材適所、生き続ける建築を念頭に設計活動を行っている。デザインや仕組づくりを通して様々な分野の商品企画開発やコンサルティング、教育活動を行っている傍ら、地元(川崎市宮前区)の様々な地域活動を始め、まちづくりを中心とした市民や行政の多岐にわたる委員会等へ参加等通して文化活動や社会活動に勤しむ。



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