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家づくり学校<建築構造編>耐震性の基礎知識と工法の比較

2015年10月12日(月)・24日(土) 講師:中村義平二(建築家/空間構造代表)

最近、横浜市内のマンションが杭工事の不備のために傾くという衝撃的なニュースが、話題になりました。せっかく大きなお金をかけて建てた家が、傾いたり地震で倒壊したりしてしまったら一大事です。
そうならないようにするには、信頼できる専門家を選ぶことに加えて、建主自身が、ある程度の建築的な知識を身につけておくことも大切でしょう。
たまたまこのタイミングで、中村義平二先生による、耐震性のセミナーが開かれました。

 

<建物を壊そうとする3つの力>
自然災害等において建物を壊そうとする力には、3つの種類があります。
1.垂直力・・・地震(縦揺れ)のほか、建物自体や積雪による重さが垂直に建物に加わります。
2.水平力・・・地震(横揺れ)のほか、台風などの風圧力が、横から建物に加わります。
3.剪断力・・・反対方向の力の作用により、ズレを起こす力です。強風が(正圧)があたる建物の陰には負圧が発生します。地震や竜巻でも剪断力が作用します。
建物は、こういう破壊しようとする力に対抗するだけの強さを持っていなければなりません。

 

<地盤と基礎の強さが家の強さを決める>
壊れない建物をつくるには、まず地盤がしっかりしていないといけません。
地盤調査を行って、地耐力(建物の重さを支える力)を知ることが大切です。
斜面の造成地では、盛り土部分は、地盤が弱いことが多いので、要注意です。
弱い地盤の上に建物を建てると、建物を支える特定の部分だけが建物の重さで沈み、不同沈下してしまう危険があります。
そのため、地盤改良が必要です。地盤改良の方法には、①表層地盤改良、②柱状地盤改良、③杭基礎、などの方法があります。
頑丈な建物は、地盤の次に、基礎がしっかりしていないといけません。
基礎の方法には、①布基礎、②ベタ基礎、の方法があります。

 

<いろいろな工法それぞれの特徴>
基礎の上に建物を建てる工法には、さまざまなものがあり、それぞれ特徴があります。
「木造軸組工法」
日本の住宅で最も一般的な工法です。
柱と梁で構成され、横からの力に抗するために筋交いが設けられる。単純な架構なので、設計の自由度が高いです。
「鉄骨軸組工法」
住宅メーカーの代表的な工法です。
構造の考え方は、木造軸組みとほぼ同じで、木が鉄に置き換わった構造です。
工場生産化率が高いので、製品の安定性が高いという安心感がありますが、プランの自由性に関して、多少の制約があります。
「ツーバイフォー工法」
欧米の木造住宅の主流の工法で柱ではなく壁面で支える構造。
そのために、耐震性は高く気密性もよいですが、大きな開口部をつくりにくい、という制約があります。
「鉄骨造ラーメン構造」
ラーメンとは、中華麺ではなくて、ドイツ語で「額縁」のことです。
柱と梁の結合が、外力による変形に対しても抵抗作用を持つ剛接合でなされている骨組み。
大きな内部空間や開口部をつくることが可能ですが、コストが高くなります。
「鉄筋コンクリート造」
圧縮力に強いコンクリートと引張力に強い鉄を組み合わせた頑丈な構造です。
腐朽やシロアリ、また火に対する心配もいらず、耐震性、耐久性に富みますが、自重が重いので地盤強化が必要です。
また、施工期間が長くかかり、コストも高くなります。

 

<モデルハウスを見比べる>
セミナーの最後に、まず、「横浜市・住まいづくり体験館」にある、4つの構造の模型を見ながら、あらためて構造を比較しました。
また、いくつかのモデルハウスで、その工法の特徴についての説明を受けました。
各住宅メーカーが採用している工法のメリットを最大限に生かすと同時に、その工法のデメリットを解消するための独自の技術開発や工夫をしていることが、説明されました。
セミナー全体を通して、建物の地盤、基礎、構造の重要性を、よく理解することができました。

 

 

中村義平二
中村義平二 建築家/空間構造代表



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