家づくり学校<生活環境編>夏も冬も快適ライフを「シニア世代のための安全な住まいと冷暖房の知恵」 | ハウスクエア横浜
スマートフォン版で表示
HOME
セミナーレポート
家づくり学校<生活環境編>夏も冬も快適ライフを「シニア世代のための安全な住まいと冷暖房の知恵」

2015年10月9日(金)・17日(土) 講師:村井エリ(1級福祉住環境コーディネーター、一級建築士、日本女子大学非常勤講師)

 

歳をとってくると、若いころは何の問題もなかった家でも、暮らすうえでの不都合を感じることが多くなってくるものですね。
寒いとか、階段が急すぎるとか、トイレが遠いとか、さまざまな問題点が発生します。
そこで、高齢者になったときを見据えて、建て替えやリフォームをどうしたらいいのかについて、1級福祉住環境コーディネーターの村井エリさんにお話しいただきました。

 

<いま、家庭内があぶない!>
家のなかはどこよりも安全な場所だと、誰もが思っているでしょう。
しかし、年間の事故死の統計を見ると、家庭内事故による死亡者数は、交通事故の死亡者数よりも多いのです。階段の転落、床のつまずき、お風呂での溺水などにより、家庭内の不慮の事故死者数は年間約1万5千人にのぼり、交通事故死亡者数の約2倍にもなります。
身体機能が衰えてきた高齢者にとっては、ふつうの家の環境は決して安全とは言えません。
日本人の平均寿命は、女性が86歳、男性が80歳ですが、健康寿命(日常生活に制限のない期間)は、女性が73歳、男性が70歳です。
すなわち、平均寿命と健康寿命との差が、約10年もあります。
この、いわば不健康な期間を、どう短くするかと同時に、いかに快適に暮らせるようにするかが、とても大切なことです。

 

<暮らしが変わったら、住まいを見直そう>
仕事が変わったり、家族が変わったりする人生の変節期は、住まいをバージョンアップさせるチャンスです。
*こどもが独立する→子供部屋の有効活用
*退職する→夫婦それぞれの居場所の確保
*親と同居する→親の寝室の確保(介護への備え)
*一人暮らしになる→生活のコンパクト化
*子供が結婚して同居する→2世帯住宅へ
このような機会に、より安全な住まいに改善していくことが、大切です。

 

<身体が変わったら、住まいを見直そう>
高齢になってくると、多くの人が、さまざまな変化を体験します。
*運動面の変化:とっさの反応が鈍くなったり、平衡感覚が鈍くなったりして、転倒しやすくなる。
*感覚の変化:明暗の変化に慣れるのに時間がかかるようになり、高い音が聞こえにくくなる。
*内臓の変化:息切れしやすく、動悸がしやすくなる。
*精神面の変化:新しいことを学習する能力が低下し、環境の変化への対応の柔軟性がなくなる。
こういう変化を前提にして、安全な住まいを具体的に考えていきましょう。

 

<シニア世代の住まいの要件>
健康を維持できて、ずっと住み続けられる住まいにするためには、新築やリフォームをするにあたって、快適性、利便性、安全性、融通性の4つの面での配慮が必要です。
*快適性:日当たり、風通しをよくして、自然を感じられるようにする。
  夫婦それぞれにとっての居心地のいい居場所をつくる。
*利便性:掃除しやすく片付けやすく、見てすぐわかる収納にする。
  照明スイッチの位置をわかりやすく整理する。基本的な生活空間を1階にまとめる。
  寝室の近くにトイレをつくる。外出するのに不自由を感じないアプローチにする。
*安全性:転倒しないように段差を解消する。部屋間の温度差で心臓に負担をかけないように断熱性能を高める。
*融通性:福祉用具を使うことになった時も使える広さを確保する。外から寝室へ直接入れるアプローチを確保しておく。
  これらを改善していくことにより、いつまでも快適に暮らせる住まいになります。

 

<冷暖房について>
家庭内でよく起きるヒートショックを防ぐために、暖房は大切なポイントです。
暖房器具にはそれぞれ特徴がありますが、以下のことに留意して、選ぶようにしましょう。
1.暖房を入れた時の立ち上がりの早さを求めるなら、空気対流式=エアコン、ファンヒーターなど。
2.室温を均一に維持することを求めるなら、輻射式や伝道式=床暖房、パネル式暖房など。
3.やけどなどの事故につながらないように、安全性に留意する。床置式機器の転倒や、コードで足を引っかけることにも要注意。
4.なるべくなら、光熱費を削減できる、消費電力の少ないものを選ぶ。

 

<横浜市・住まいの体験館などの見学>
セミナーの最後に、ハウスクエア横浜・住まいの情報館1階にある<横浜市・住まいづくり体験館>を見学しました。
そこには、車椅子で生活できる住まいのモデルルームがあります。玄関から、ダイニングキッチン、寝室、風呂、和室まで、いろんな部屋のモデルを見ながら、新築やリフォームでバリアフリー住宅にするための、実践的なポイントを学ぶことができます。
また、いくつかのモデルハウスをも見学して、各社それぞれの特別な工夫を知ることができました。
家の中の温度を均一に保つことができる全館空調のモデルハウス。断熱性能を高めるための3重サッシのあるモデルハウス。上下階の移動を楽にするホームエレベーターのあるモデルハウス。
安全な住まいづくりに役立つ特別な建材や設備も見学できて、充実したセミナーでした。

 

 

村井エリ
村井エリ 1級福祉住環境コーディネーター、一級建築士、日本女子大学非常勤講師



セミナーレポート一覧へ戻る

ページトップへ戻る