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セミナーレポート
発想力を伸ばす子供を育てる住まい

2014年7月19日 講師:栗田正光(建築家)


子育てにとっては、子どもがほとんどの時間を家で過ごす小さいうちから、なるべくいい環境で育つようにしてあげるのが、理想ですね。
子どもがのびのび元気に発想力のある子に育つためには、何に注意して住まいをつくればいいのでしょうか?
子育ての視点からの住まいの考え方と住まいづくりの方法について、建築家の栗田正光先生にお話いただきました。

 

発想力のある高い子どもを育てるために
住まいにおける子供部屋のあり方は、その時代時代で、変化してきました。
「自立性を高めるためには独立した子供部屋が必要」とか「子供の気配をいつも感じられるように子供部屋はリビングに隣接させて」とか「ダイニングで勉強する方が頭の良い子が育つ」とか・・・。
しかし、今の時代に最も求められるのは、いかなる状況になっても克服できる柔軟な対応力をもった、発想力と自己解決能力の高い人に育つことではないでしょうか?
そのためには、子供の成長過程において生活空間が及ぼすプラスとマイナスの効果、そして、大人も子供も様々な「気付き」の中で成長して行くものであることを認識し、それを普段の生活に活かすことが大切です。

 

大人の押しつけをしないことが、子供の創造性を育む
まず、親が、子どもに、自分のエゴの押しつけをしないことが、大切です。
大人のエゴもしくは無知による押しつけが、子どもに期待したことの逆効果となりがちだということを知りましょう。
たとえば、親が、子どもに明るく元気に育ってほしいと願って住まいの配色を指示すると、その結果として、色が反射、混ざり合い、暗くくすんでしまうことが起こりがちです。
親は、自分の子供のことについてよくわかっているつもりでいがちですが、実は、意外と分かっていないものです。
子どもが好きな遊び場や好きな友達についてすら、往々にして、本当に子どもの気持ちをわかっていなかったりするものです。
子どもたちに提供してあげたいのは、ある考えを押し付けることではなく、むしろ、自由な発想を誘発する仕掛けです。
そこに何か不思議なものを感じたり、自分でなにかを作っていこうという気持ちを湧き上がらせたりする空間こそが、望ましいものです。
大人には明るくても小さい子には闇と感じてしまう不思議空間、自己治癒能力を発揮する秘密基地となりうるような空間などです。

 

視覚だけを重視しすぎないようにしよう
人の五感は、視覚が、感覚全体の70%を占めていると言われていますが、子ども時代は、ほかの触覚、聴覚、嗅覚、味覚の割合がもっと高く、複合した感覚が補い合い生きています。
人は、生まれて羊水から空気呼吸に変わった時点で鼻孔の粘膜は臭いに敏感になりおっぱいを探します。
また、まぶたも開かないときに、耳から聴こえるものを頼りに温かい肌にしがみつき眠ることを繰り返し生きていきます。
住まいづくりにおいては、単に視覚的なことだけでなく、内装材の触り心地や匂い、また、音響効果なども大切にしましょう。

 

柔軟に変化する住空間の方が面白い
年月の経過とともに、家族は成長し、家族構成が変わったり、生活スタイルが変わったりします。それに伴って、住まいも変わっていくべきです。
たとえば、妊婦さんが安全にいられる部屋が、子供と添い寝をする部屋になり、プレイルームになり、いつのまにか客をもてなす茶室になったり、高齢者介護の部屋になったりしていきます。
また、家の中にもう一つ、秘密基地のような小さな家があり、それが移設も可能な空間だったりすれば楽しい生活のシンボルともなるでしょう。
住まいは、なるべくそのまま変化に対応できることが望ましいですが、それが難しい場合は、リフォームしたり、建替えたり、あるいは住まいを移す、ということになります。

 

子供の個性を認め個性を伸ばすことの大切さ
創造力を伸ばすことは、判断する仕方や思考する過程が人それぞれ違っていることを認めることに始まります。
たとえば、ある図形を見せて、丸い形は何個ある?という問いかけをすると、子どもにより、選択する図形も変わったりします。大きな円の集まりを数える子、小さな円を数える子、同じ色の円を数える子。という具合に認知のイメージする具合や度合いが異なります。
この、人それぞれの認知の仕方の違いは「個性」なのです。
たとえば、同じ面積の家と同じ面積の庭であっても、その配置の仕方により庭も住まいの一部として使われるようになりもするし、逆に、ただの無駄なスペースになってしまったりもします。
たとえば、ドーナッツ状の内部空間の部屋があるとして、それが全て壁で覆われている場合と、その一部に縦状のスリットが入っている場合とを比較すると、後者には中心性が生まれて、狭さ広さの感覚を味わえるのです。

 

実際のモデルハウスでの体感 (サーティーフォーのモデルハウススタッフとともに)
最後にサーティーフォーモデルハウスを見ながら空間体験をしました。
空間を三次元で捉えられることが子供にとって発想を豊かにすることそのものであり、迷路のような階段も、何通りも解決策があることを発想させる仕掛けであることを説明しました。
また、子供サイズの秘密基地的な空間についても、それがその時の気分と共に自由につくる秘密基地となりうることを説明しました。
実際のモデルハウスを体感したことも含めて、「発想力を伸ばす子どもを育てる住まい」のつくりかたが、具体的に示されたセミナーでした。

栗田正光
栗田正光 建築家



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