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ここに注目!図面や書類の落とし穴とチェックポイント あなただけに教えます

2014年1月25日 講師:池田暢一郎(建築家)

 

 家を建てるときには、細かい書類や難解な図面、設備や見積もり、近隣との関係や法律等、重要な確認項目があります。つい設計士や担当者に任せてしまいたくなりますが、ポイントを押さえれば専門家でなくても大丈夫。家の設計から完成まで(設計図・契約書・見積書に工事中の確認事項)見落としがちなチェックポイント・勘所をわかりやすく教えて頂きました。

 

<設計図の見方>

設計図は(特記仕様書、概要書、仕上げ表、平面図、立・断面図、展開図)から構成されます。

1.特記仕様書:基準になる仕様は何か

注目すべきは記載されていない事項についての使用されている基準。住宅支援機構監修「木造住宅工事共通仕様書」(最新版)などが住宅においては一般的です。

 

2.概要書:氏名・住所・建築場所といった「基本情報」は案外間違いやすいもの。

これに基づいて様々な手続きがなされます。後々面倒にならぬよう気をつけましょう。

 

3.仕上げ表:打ち合わせ通りの仕上げになっているか。

書き間違えを含め、小さな文字の違いでコストが大きく変わってきます。この段階では変更も遠慮せず伝えましょう。

 

4.平面図 :

①敷地境界線からの離れ

②方位や土地の高低

③柱、建具の配置

敷地境界線からの離れは、1メートル以上離すと民法の適用を受けずに済みます。図面上では「点」のように記されている柱等、細かくチェックして頂きたいポイントです。また建具開口においては、引き戸なのか開き戸なのかが、天井の高さやペンダント照明、つり下げスピーカー等との位置関係にも影響します。

 

5.立・断面図 :

①開口部の方式と面格子のチェック

防犯上の視点から雨戸がついているか、面格子の有無をチェックしてください。また腰窓等は小さな子供用に転落防止がついているかも確認すること。

②屋根の勾配と仕上げ

屋根は発電効率(最も良いのが20~30度)に適した勾配であるか。デザイン上重要なモチーフである屋根については葺き方や仕上げにも気を配りましょう。

③部屋の上下関係

同じ用途の部屋が二つ重なった場合は上の階に下の階の音が伝わりやすいことを念頭に、上に水回りがある場合は水音の影響から下の部屋がどういう部屋になっているかなどに注意します。

 

6.展開図

①天井・家具の高さ

②スイッチコンセントの位置

③持ち込み家具や家電の配置

天井の高さや形状等、お任せのケースが多いのですが後で気になる部分です。洗面代の高さ・吊戸棚の高さ・キッチン等の高さは希望通りか、スイッチやコンセントを含め使いやすい位置か、家具や家電をどこに置くか、寸法の記載のないケースも多いので、三角スケール等を買って確認すると良いでしょう。

 

<見積書の見方>

1.御見積書:「別途工事の内訳」を確認

別途工事は見積もりに含まれません。床暖房や空調、地盤補強等以外と入っていないもの。内容次第では金額が大きく変わってきます。場合によっては本工事に入れてもらう等の措置を取ること。また「支払条件」の確認も必要です。

 

2.工事日内訳書:諸経費は10%前後

工務店を見定める判断材料になります。

 

3.工事日内訳明細:間違いと「落とし」に要注意

計図にあるのに費用に落とし忘れはないか。もちろん、工事に入ってからの指摘も可能ですが、大きな落としがあると工務店から泣きつかれて追加費用を払わなければならないケースもあります。

 

<契約書の見方> 

契約書は以下の3部構成となっています。

1.工事請負契約書:竣工と支払の時期の確認

「民間連合」のフォーマットで書かれていれば安心です。(※ハウスメーカーを除く) 約束した期日であるか。いつどのくらいを支払うか決まりはないので、工務店とよく話し合うとよいでしょう。

 

2.請負契約約款(=契約内容の取り決め事):約款の種類に着目

「民間連合」の契約書であるか。大手ハウスメーカーの場合は独自に作っているものの、基本はこれ。設計業界と建設業界とがお互い不利にならないような内容で作成されており、まずは問題ないと考えてよいでしょう。

 

3.添付図書:各書類、図面の整合

①契約図:見積もり調整は図面に反映されているか?

②内訳書:設計図での変更点が見積書に調整されているか?(契約図との整合)

③工程表:着工と竣工は契約通りか?

 

<工事中の確認事項>

1.着工前に確認する事

①工程表:物決めの時期を把握

材料の調達にも関わる為「いつまでに」変更しなければならないかを現場代理人に確認しておきましょう。

②敷地形状:基本的な事を再確認

 1)敷地境界杭を確認

 2)隣家境界の立会確認

 3)各種引き込み位置

敷地境界杭は必ずなければいけません。杭がない場合は境界が確定していないことになりますので、土地家屋調査士や測量事務所に境界確定測量を依頼し、敷地境界を確定しておきます。

また水道やガスの引き込み位置についても図面と合っているか確認しましょう。

③地縄張り:隣戸の関係は良好か?

 1)隣地との離れ

 2)屋外機器類の配置

 3)窓と隣戸との関係

地縄張りは地鎮祭前に行われるのが一般的です。施主確認する認識がない現場担当者もいますので、事前に地縄張りをぜひ確認させて欲しいと伝えておきましょう。

地縄張りで気を付けたいのが屋外機器等の設置位置です。特に深夜に動くエコキュートの屋外機などが、隣戸の寝室の近くにあったりするとクレームになるケースもあります。

 

2.工事中の確認

①上棟時:見えなくなる所を確認

 1)柱・梁・基礎を確認

 2)屋根の素材と断熱材(性能は厚みで決まります)

 3)気になったことは現場の職人ではなく必ず現場の代理人か設計士へ

建物の骨格が見える最後の段階です。出来れば設計士さんと一緒に確認するのが望ましいでしょう。

②内装下地工事:スイッチ類を動かすなら壁を張る前に指摘しお願いします。

③機器類の据え付け:指定した製品か、配置は正しいか、付属の機器も確認しましょう。

 

3.竣工時の確認

①竣工検査:作動確認

建物内外の清掃、後片付け、整理状況、仕上げの汚れ、クロスのはがれやタイルの目地には気を配っても、意外と確認しないのが、ガスの出の状況や安全点検、エアコン等の運転状況や性能、建具の開閉具合、雨戸の扱いやすさと壁との取り合い状況、照明やスイッチなどの点検、インターホンや電話などの操作性、水の出や排水状況、リモコン等の操作説明等。排水マスのフタを開け排水状態もチェックしましょう。機器類は実際に動かして確認することが大事です。

②引き渡し書類:全て揃っているか?

中でも「工事竣工図」これは必ず受け取ること。これは後々のリフォーム等にも影響する重要なものです。ない場合は必ず期日を切って出してもらうよう約束すること。

③検査済証:

確認検査機関が完成後の建物を検査し、発行する書類です。これがないとローンの融資が受けられず、将来の増改築にも支障が出ます。検査済証が無いからといって違法建築ということにはなりませんが、検査を受けないこと自体は違法行為になります。

 

池田暢一郎(いけだよういちろう)
池田暢一郎(いけだよういちろう) 一級建築士、一級色彩コーディネーター

1971年島根県生まれ。94年大阪芸術大学建築学科卒業。

青島裕之建築設計室を経て、96年に米国人建築家シーザーペリの日本事務所に入所。官公庁施設からホテルまであらゆる種類のプロジェクトに携わる。

2000年からは主に羽田空港第2ターミナルビル、2006年からは羽田国際線ターミナルの設計・監理JVの一員となり、設計の他商環境演出、ラウンジ内装、アートコーディネートを主導した実績を持つ。2010年より自身の設計事務所を開設し、住宅から商業施設まで、幅広い分野において設計活動を行っている。



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