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光熱費がいらなくなる?!ゼロエネルギーの家とは

2017年5月14日 講師:田口隆一(ホームインスペクター)

 

最近、ZEH(ゼッチ)という言葉を耳にします。
これは、「ゼロエネルギーの家」という意味らしいのですが、本当に電気やガスなどのエネルギーがいらない家って、できるのでしょうか? 
その疑問について、10年も前に今のZEHに近いコンセプトでご自宅を建てられた、建築家の田口隆一先生に答えていただきました。

 

家にかかる3つのコスト
家づくりは一生でいちばん大きな買い物ですが、家にかかるお金は初期費用だけではありません。
家に関して主にかかる費用は、次の3つです。

 

①建築費用(=建てるときの初期費用)
②メンテナンスコスト(=防水機能など建物の性能を維持していくために必要な費用)
③ランニングコスト(=住まいで生活していくのに必要なエネルギーなどの費用)

 

いくら建築費用を低く抑えても、あとから②や③のお金がいっぱいかかるのでは、結果として高い買物になってしまいます。
そこで、③のランニングコストを抑えられる家をつくろう、というのがZEHなのです。

 

ZEHとは何か?
ZEH(ネットゼロエネルギーハウス)とは、エネルギーの消費を抑えて生活できる住まいのことです。
そのポイントは3つあります。

 

①断熱性能が高くて、暖冷房のエネルギーをなるべく使わないですむこと。
②高性能設備で、エネルギーを効率よく使うこと。
③太陽光などを利用して、エネルギーをつくること。

 

この3つを備えることにより、「快適な室内環境」と「年間で消費する住宅のエネルギー量が正味で概ねゼロ以下」になることを、同時に実現することができるようになります。
人はいつまでも健康で長生きできるように、そして、地球資源の消費が抑制されるようにという、今の時代が求める2つの要請に答える住まいが、ZEHと言えるでしょう。

 

気密・断熱のしくみと快適性
ZEHの重要なポイントの一つが、断熱性の高さです。
断熱・気密性能を高めることで、あまり暖冷房エネルギーコストをかけなくても夏涼しく冬暖かい住まいを得られます。
断熱性能が高いと住まいが快適になる理由は、下記の3点で説明できます。

 

①室内での体感温度が室温とほぼ同じになる。
体感温度≒(表面温度+室温)÷2 と言われています。
断熱性能が低いと、いくら暖房で室温を高めても外部に近い壁面温度が低いので、体感温度は上がりません。
断熱性能が高いと、壁面温度が室内温度に近くなるので、体感温度が上がります。
②部屋の上部と足元の温度が近くなる。
断熱性が低いと、床から冷気が来て暖気が上の方に行くので、部屋の上方ばかりがあたたくて足元が寒くなります。
断熱性能が高いと、部屋の上下の温度が、比較的均一になります。
③部屋間の温度差がなくなる。
統計データによると、家庭内の人ショックで死亡する人の数は、全国の交通事故死者数の2.4倍だそうです。
断熱性能が低いと、部屋と部屋の間の温度差が大きくなり、高齢者の心臓に大きな負荷をかけることになります。
断熱性の高いと、家全体があたたかくなるので、部屋間の温度差が少なくなります。
これらの理由により、家の断熱性と気密性を高めることで、家全体が快適になるのです。

 

太陽光発電
ZEHの家のもう一つの特徴は、自らエネルギーをつくり出すことです。
自然界からエネルギーを取り出す方法は、太陽熱利用、風力発電、地熱利用などさまざまありますが、太陽光発電がもっともポピュラーなものです。
太陽光発電は、発電して余った電力を電力会社が買い取ってくれるので、経済的なメリットを得られます。
太陽光発電設備を装着すると初期費用は余計にかかりますが、発電した余剰電力を電気料金よりも高く売電できることにより、生活エネルギーコストが節減されるので、初期費用を回収いていくことができます。
しかし、売電価格は徐々に低くなってきています。
今の相場で10年間の売電契約を結ぶと、ほぼ10年で元が取れるくらいでしょうか。
その後はおそらく売電価格がもっと低くなるでしょうから、蓄電池を備えて、余った電力は後で自己使用するのが標準スタイルになるかもしれません。

 

最後にもう一度ZEHのメリットをまとめると、下記の通りです。
①循環型社会に向けて化石燃料の使用を抑制する。
②室内環境が良好になり、健康に良い住まいになる
③高効率機器の使用や発電(創エネ)により、長期的に経済的メリットが生まれる(可能性がある)。

田口隆一
田口隆一 ホームインスペクター

一級建築士。ホームインスペクター。一級建築士事務所ARU田口設計工房主宰。
住宅の設計監理業務のほか、既存住宅や建築中建物の検査業務を多数行っている。
著書に、「現場のコミュニケーション術」、「地震に強い家づくり」(共著)「いい工務店との家づくり」(共著)など。

 



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